鶏卵素麺
何とも不思議な名前の菓子です
卵?素麺?
実物を見ると納得ではあるのですが、ちょっと変わった南蛮渡来のお菓子です。
その名の通り、鶏卵(卵黄)を素麺状にまとめた菓子で、作り方は卵黄を熱い糖蜜の中に糸状に細く垂らして素麺状に固めることで、卵黄の鮮やかな黄金色に染まった甘く美味しい素麺が出来上がります。
日本三大名菓*と呼ばれる銘菓です。
この菓子は、社会人になって間もない頃、バブル末期に友人達と博多旅行に行った折に、見つけて買ったのが最初。
甘い卵黄のなんとも贅沢な味わいが癖になって博多へ行く機会に合わせて何度となく買いました。
長さ 20cmちょっとくらいの長さに切り分けられて、丁寧に詰められた黄金色のしっとりとした鶏卵素麺は、見た目にも見事。
一本ずつだと少し頼りないので、数本まとめて箸で掴み口に運ぶと、卵のふくよかな味わいと糖蜜の優しい甘さがじわっと口に拡がります。
この甘さはどちらかと言えば洋菓子に近いものなのですが、実はこの菓子、南蛮渡来の菓子で、カステラ、コンペイトウなどの様に安土桃山期にポルトガルから長崎平戸に渡って来た菓子との事でそういった事も頷けます。
卵ベースのスイーツ好きな方にはうってつけの和菓子です。
*日本三大名菓、長岡の「越の雪」、金沢の「長生殿」、博多の「鶏卵素麺」が日本三大名菓と呼ばれています。(「越の雪」「長生殿」と松江の「山川」を三大和菓子と呼ぶこともあるようです。)
株式会社 石村萬盛堂
|