「御城之口餅」
奈良を代表する銘菓で、私のお気に入り菓子でもあるのがこの「御城之口餅」。
安土桃山時代に大和郡山城主であった豊臣秀吉の実弟豊臣秀長が、秀吉公をもてなすための珍菓を作る様、菊屋当主菊屋治兵衛に命じられ、献上したお菓子を秀吉公が非常に気入られ、「うぐいす餅」と銘うった事がこの菓子の始まりと言われています。
粒あんを柔らかいお餅で包み、ふんわりときな粉をまぶしたこの菓子は、江戸時代に入っても作り続けられ、町人にも非常に人気があったそうで、店舗が大和郡山城の大門を出た町人街の一軒目にあったことから、お城の口で売る餅→御城之口餅、と呼ばれるようになったと言うことです。
ふんわりまとめた青大豆きな粉の中には、口当たり柔らかいお餅が、そしてその中には上品に炊き上げられた美味しい粒あんが入っていて、やさしい美味しさを味わえます。
こだわりの詰まった原材料は、
・きな粉:国産青大豆を挽いた青きな粉
・餅:近江産餅米を、餅米からついたつきたてのお餅
これらの素材を丁寧に食べやすい一口サイズの菓子にまとめています。
お餅の命は柔らかさ。当然ながら時間が経つと固くなってしまいます。そのため日持ちは2日ととても短いのですが、30日の日持ちがある冷凍のものも通販で販売されています。
菊屋の銘を掲げる菓匠が大阪にもありますが、こちら本家菊屋さんからの分家です。
*砲金は、銅合金の一種で、銅と錫の合金。一般に銅90%、錫10%程度の組成。非常に丈夫で鋳造も容易で銃や大砲の銃身に使われたことから砲金(ガンメタル)と呼ばれています。
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