お茶屋の道楽ブログ

和菓子、食べ歩き、お気に入り食材など食中心に紹介します。旅先出張先での写真、ビッグバンド活動、などなど気の向くまま趣くままの道楽日記です。どうぞ気の向くまま趣くままツッコミ入れてくださいませ(誹謗中傷は無しでお願いしますねw)

銘菓「きぬた」〜株式会社長久堂(京都府京都市)

銘菓「きぬた」〜株式会社長久堂(京都府京都市
 
(2016年購入の蔵出し)

新幹線京都駅で出張帰りにふと見つけた棒状パッケージの和菓子。
ちょっと地味めの包装紙だったのですが、なんとなく気になって購入。
開けてみると、柔らかな餅(求肥)の表面には優しい甘さの和三盆糖がたっぷりまぶしてあり、それだけで贅沢な造りの菓子であることがわかりますが、その求肥の中には羊羹が仕込んであって、しっかり作り込んであることが伝わります。
きぬた(砧)とは、木槌で叩いて反物を柔らかくするときに使う木や石の台の事で、衣板(きぬいた)が音変化できぬたになったらしい。
本菓子の「きぬた」はそのやわらかく仕上げられた反物をイメージしたとか。
 
薄く伸ばした求肥生地を幾重にも重ねて巻いた芯には、オレンジ色に染めた白大豆餡を寒天で固めた羊羹。
反物をイメージしたと聞くと、そのイマジネーションに感銘を受けます。
 
長久堂さんの創業は200年近く前、天保2年(1831年)。
新屋長兵衛というや屋号で京都室町四条で始まりました。
そして初代長兵衛さんが、郷里の丹波に戻った時に聞いた砧の音で考案したのがこの「きぬた」。
二代目長助さんが自身の「長」の字と奥さんの名前「久」とを取って、明治22年に「長久堂」として今に至ります。
 
昭和17年(1942年)には京都府が指定した「和生菓子特殊銘柄品」にも指定される特別な菓子と認められた銘菓です。
(当時の最高販売価格は50銭/100匁)
 
※「和生菓子特殊銘柄品」は、戦時下の昭和17年(1942年)8月13日に農林省が制定した菓子の価格統制に対して、地方長官が例外に特別の規格を定めて別段の価格を認めた銘柄品で、京都府が同年12月に指定した18銘柄の菓子のこと。
「きぬた」は戦時下でも例外と認められた銘菓。現在も残っている銘柄は、道喜ちまき(川端道喜)、祇園ちご餅(三條若狭屋)、煉羊羹(総本家駿河屋)、笹屋どら焼(笹屋伊織)、虎屋饅頭(虎屋)など。
 
購入日:2016年3月
名称:菓子
原材料名:砂糖、餅粉、白小豆餡、水飴、和三盆糖、寒天、着色料(コチニール)、乳化剤(カゼインNa)、※原材料の一部に乳成分を含む
保存方法:常温保存
製造者:株式会社長久堂
京都市北区上賀茂湖畔勝町97-3
 
電話075-712-4405
受付時間:10:00〜19:00
定休日:火曜日
JANコード 4560122363002
 
 
買った場所
新幹線京都駅売店